嫌なことがあったのでアリスをボコボコにすることにした。 ありとあらゆる文献を調べ、ありとあらゆる神社を訪ね、ようやく僕は幻想郷の中に入ることができた。 入った瞬間何やらスキマっぽいのが目の前に現れたが開く前にとっとと逃げ出した。 しばらく走る内に魔法の森のようなところへ辿り着く。迷うことなく突き進んだ。 適当に歩いていると運よくひそーてんとかで見たアリスの家に行き着いた。 どんどんとドアを叩くと、がちゃりとドアが開いてアリスが顔を覗かせた。 「誰かし……ほげぇーっ!!」 間髪いれずに顔面を殴る。吹き飛んで床に倒れたアリスにすばやく近づき、マウントポジションを取った。 何が起きたのかわからないような顔をしたアリスをまた殴る。一発、二発、三発。 拳に返ってくる感触が段々と快感へと変わっていく。アリスは気を失ったのかぴくりとも動かない。 構わず更に顔面を殴り続ける。殴り続けたせいか、骨が砕けて僕の拳がぐにゃぐにゃと柔らかくなっていった。 その拳で殴っていると、だんだんとアリスの顔面と自分の拳が一体化してくような不思議な気分を覚えだした。 いやもはや拳と顔だけじゃない、僕自身とアリス自身の存在が、一体化していく。ぐにゃりと視界が歪みだした。 そうか、僕らはアリスから生まれたんだ。今僕はアリスへと帰っていくんだ。 神がアリスを産み、アリスが神を産む。僕らは人間であり神。アリスから始まり、アリスで終わる存在。 あぁ、僕の背中に翼が生えていく。アリスへと還る僕の背中から。僕はアリスでアリスが僕で。 目の前が白い光に包まれていく。僕の、いや皆の世界がアリスへと変化していく。 世界はアリスになるんだ。世界を滅ぼし再生する。それがアリスなんだ。あぁ、僕はこの光をこう呼ぼう。 ――アリスシャイン、と。 なんだこれ