「ゆゆゆゆゆゆ様ー! 大変ですー!」 「妖夢、せめて『こ』はつけて。ゆが何個あっても何も言わないから『こ』はつけて」 「こここここ様! 大変ですー!」 「言いづらいでしょ? 絶対言いづらいでしょ? なんでそんな無茶するの?」 「私の半霊(ゴースト)がそうしろって囁くんです」 「うっわ、誰もがやったり考えたことのありそうなネタね。もうそれ禁止ね」 「私の半霊(ゴースト)がそうしろって囁くんです」 「抗った!?」 「そんなことより大変なんですよぅ!」 「いやー断言するけど絶対大変じゃないわ。どうせアレでしょ? 食料問題でしょ?」 「西行妖が燃えてます!」 「大変だわァァァァァァァァァァ!!」 「なーんちゃって!」 「オイコラ」 「いやまぁホントなんですけどね」 「大変だわァァァァァァァァァァ!!」 「もう対処しましたけどね」 「なんだ……ならいいじゃない」 「原因は元から断てともいいますから」 「………………ねぇ、まさかと思うけど斬った?」 「はい、根元からばっさりと」 「何やってんのォォォォォ!?」 「斬られた西行妖が白玉楼に倒れて結構面白いことになってますよ」 「どこが!? ねぇ、どこが!? っていうか何の対処も出来てないじゃない、悪化してるじゃない! あっ、そういえばさっきからなんか暑い!」 「炎の中を斬り進んで助けに来た私を褒めてください、具体的にいうと撫でてください」 「やだ、厚かましいと見せかけて微笑ましい」 「さぁ行きましょうゆゆゆゆに様、ここは危険です」 「惜しい! すごく惜しい! こ! こよ!」 「そんなこと言ってる場合じゃありませんよ、死ぬおつもりですか!?」 「いや原因の貴女にそんなに必死になられるとなんか冷めるのよ。でもそうね、早く逃げましょうか」 「……そうですか、そこまでのお覚悟が」 「あれ? ちょっと? なんか勝手にイベント進んでない? バグ? 私いま確実に『逃げる』って選択肢選んだわよね?」 「ならば――私もお供させて頂きます。先の見えない死への旅路、幽々仔様だけでは寂しいでしょう?」 「なんでか漢字が絶対に違うのが分かるわ。いやちょっとまってホントに、なんで二人でいっしょに逝きましょう的な展開になってるの? ねぇ、そのカッコいいこと言ったみたいな顔やめてよ。叩き潰すわよ」 「ふふふ、あったかいですね……いままでありがとう、ゆゆこ……さま……様」 「ゆゆこさまって名前みたいになってるじゃない。もうネタ切れみえみえの間違え方じゃない。あとあったかいのは周りが火だらけっていうか貴女自身も火達磨だからよ」 「願わくば、生まれ変わっても………………………………ガフッ」 「アレェェェェェ!? 絶命したァァァァァァァ!? 最後まで言えェェェェェェェェェェェェェ!! 許されるから、どんな無常な神様でもこういう状況のときは最後の言葉を最後まで言わせてくれるから!」 「願わくば、生まれ変わっても……」 「うわ、生き返った!?」 「……かしわもちといっしょにいられますように……」 「なんでだァァァァァァァァァ!! かしわもちってまさか私のことかどんな間違え方だァァァァァってぎゃあああああああ私にも火があああああああああってアレ? 幽霊なのにもっかい死ぬの私? おかしくない? あーでも熱い、超熱いわ今。これは死ぬわねあっつゥゥゥゥゥゥゥゥゥぎゃあああああああ!!」